“色”との出会いが、私の人生を動かし始めた

私のキャリアは、短大で学んだ経営心理学が土台になっています。 学生時代には広告心理を研究するゼミに所属し、「声には色があるのでは?」という仮説を立てて、CMに出演するタレントの声を色彩イメージで分析し、視覚と聴覚が購買行動に与える影響を探るなど、実験的な広告の研究に熱中していました。

卒業後は国分株式会社に入社し、経営統括本部広告宣伝部門に配属されました。 全国規模の販促キャンペーンやOEM商品のパッケージデザインなど、日々「人の心を動かす」仕事に携わりました。 社会の動きを読み取り、言葉や色を組み合わせ、店頭の一枚のポスターに込められた力が、行動を生むことを実感する日々。その中で“色の力”の持つ影響力に強く惹かれていきました。

しかし、父の病気をきっかけに、働き方そのものを見直す必要に迫られました。 より柔軟な勤務形態を求めてフレックスタイム制の企業に転職し、広告企画や印刷物、さらにはエクステリアを扱う“ライフデザイン”の仕事に携わることになります。特に心を動かされたのが「ビオトープ」という庭づくりの考え方でした。草花や水辺を配置し、鳥や昆虫が自然と集まるような“生態系”を人の手でデザインする──その姿勢は、自然との共生を“色と命の視点”から考える出発点となりました。

その会社の社長は芸術家肌で、和紙の質感や植物の色に対する鋭い感性を持ち、デザインにおいても「人の生き方と自然のつながり」を大切にする方でした。 そうした日々の中で、私は“色彩心理”を本格的に学び直したいという想いを強くしていきました。

しかし、家族の看病との両立は想像以上に難しく、最終的にはフリーランスとしての道を選ぶことになります。 そして、イギリス発祥のカラーセラピー「オーラソーマ」との出会いが、新たな一歩につながりました。色を通して心の状態を見つめ、癒していくその手法に強く惹かれた私は、現地での学びを経て資格を取得。心と色の関係を、より深く探究していく決意を固めました。